WindSynth覚え書き(半袖

およそ世界で一番技術が十分でなく、演奏の出来が悪いさまを。

雑感

ということで、MWiCの試奏が終わりました。買うか買わないか迷っているひと向けに、大雑把な感想を書きます。

MWiCに興味があるひとは以下のうちのどれかだと思います。

  • EWIを持っている
  • Aerophoneを持っている
  • WXシリーズを持っている
  • ウィンドシンセは持っていないが管楽器経験がある
  • 管楽器経験はない

Aerophone(以下エアロフォン)ユーザーあるいはWXユーザーであれば、MWiCの吹奏感は想像つきやすいでしょう。リップベンドを用いた、サックスに似た表現力を持っています。ただ、マウスピースとその中に入れるシリコーンバルーンのセッティングや本体の設定をしっかり行うことが出来ないと、思うような演奏は難しいと思います。ここが最大の難関であり、MWiCの面白いところでもあります。

追記;2023/12/03

WXシリーズとの最大の違いは、MWiCにはWXなどで存在するリップセンサーのフラットスポットがない、正確には初期設定ではリニアになっているという点です。フラットスポットについてはkirinoさんのWX5 workbook Blog WX5の初期設定調節(リップセンサー編)をご覧ください。そしてさらに、フラットスポットを何段階かに調節できるということ。いままでフラットスポットのおかげで思うようなビブラートをかけることができなかったことを不満に感じていた向きにはMWiC、ベストチョイスです。

また、エアロフォンのボタン(キー)がゆるせないというみなさんにもおすすめのデバイスとなるでしょう。NuRADのようにご自分で改造することも可能(あくまで可能。推奨はしません)です。

EWIのユーザーであれば、EWIの延長線上にある亜種ととらえるひともいるかもしれません。マウスピース周り以外はほぼEWIに見えますもんね。でもそのマウスピース周りこそがMWiCのキモのひとつであり、EWIとは異なる楽器として考えたほうがよろしいかと思います。なんならサキソフォンから移行しやすくなったといえます。もちろん、多機能になった変態EWIとしてお使いになるのを否定するものではありません。

そして管楽器経験がある/ないみなさん。MWiCはMIDIの知識を必要とする楽器です。とはいえ外国語をマスターするよりははるかに短い時間でMIDIを学ぶことができます。がんばれ。

ということで。

いいよMWiC。みんな買おうよ。

残り1週間

承前。

 

試奏のために残された時間が1週間となりました。

ようやくヤマハの4Cも届き、それ(というか自分)に合わせた設定が可能か見極めるターンです。いやー、1週間無駄にした。はじめから4Cしとけばよかった。

わたくしはブレスではなくてリップベンドに重きを置いている、宗派としてはマイノリティに属しております。ネットをさまよったりひとと話したりしてつくづく思い知りました。NuRADのときにはほぼ絶望していました。リップベンドに命をかけている民はほんとうに少ない。なので「これは人生で買う最後の楽器なんだな」とまで思いましたさ。まAE-20買いましたけれども。あれはなー。キーがなー。

で、MWiCの登場です。これがもし自分が求めているリップベンドの感覚に設定できないのであれば、うーん、ほんとにもうウィンドシンセは買い足さないだろうな。

 

つづく

ところで

よくあるのが「使いこなせそうにないから……」というタイプのひと。

ココ壱番屋のカレー、ありますよね。覚えきれないくらいたくさんのトッピングがあるお店。あのカレーを「トッピングの種類が多すぎて」と敬遠しますか? 回転寿司でお寿司以外のメニューがたくさんあって困る、なんて思います?

いいじゃないすか多機能で! 使わないあるいは意味が分からない設定項目があったとしてもかまわないじゃないすか! MWiCを知って「お」と思ったでしょ? 「いいかも」って思ったんでしょ?

特にあまり若くないあなた! やりましょうよ! MWiCでなくたっていい。EWIでもいい。エアロフォンでもいい。NuRADだっていい。エレフエでもルナティカでもいい。パソコンできてるならMIDIなんか外国語勉強するより簡単! 覚えようと思えばすぐ覚えられますぜ!

なんならくじけたっていい。「わくわくした」「楽しかった」、これが大事じゃありませんか?

「わくわく」「楽しい」が最優先。趣味なんだもん。

さぁ、一歩、踏み出しましょう!

ここまでの話

承前。

 

えー結論から申しますと、セルマーのジャズメタルEおよび中華プラスチックの白いマウスピース(現在404)はどちらもチェンバーが狭く、シリコーンバルーンがチェンバーをふさいでしまっていることが判明しました。ズコー まぁセルマーのジャズメタルE(長いな)はハイバッフルでないものの、チェンバーを狭くしてメタルっぽくない音を目指したのかなと思わないでもないです。

てなわけで、しかたなく(?)ヤマハの4Cをネットで注文したわけであります。早く届け。

メタルのほうはどうにもアレですが、中華プラスチックの白いマウスピース(現在404)は加工すればチェンバーを、というかシリコーンバルーン用の隙間を作れそうです。根元まで刺さらずカタカタ鳴るのはシャンクをぐるりと一周やすりがけして少し細身にして、ちょっとシャンクを短くしてシャコタンならぬシャンクタンにすれば使えなくはなさそうな。でもいまは試奏機でのお試し期間。無茶なことをして試奏機を痛めたらいけないのでがまんがまん。

とはいいながら、チェンバーにわずかながら隙間のあるセルマーのジャズメタルEを使っていろいろ試しておりまして、こういう状況での限定的な感想としては。

  • ブレスセンサーの反応は他社製品と遜色なし
  • ベンドセンサーについては、サキソホンに模したマウスピースを採用している現行他社製品よりも設定項目が多く、プレイヤーの好み(シビアかつタイト)に合わせたセッティングが可能。
  • いやいやベンドはとりあえずEWIみたいに感じでウニャウニャするんだったらそれで満足よ、設定は使っているうちになんとかなる、というタイプであればGO。
  • Lyriconで人生がおかしくなったタイプのひとならなにも考えずにGO。
  • そして円筒型か角柱型か、永遠に迷い続ける。

といったあたりでしょうか。

だれもが同じこといいそう(笑)。

そしてヤマハの4C早く届け。

 

つづく

リファレンス

承前。

 

寝て起きて仕事をしていたら素晴らしい(わたくしにとって素敵なタイミング)kirinoさんの新しい記事がありました。

「お店で買ってきてちょちょいと設定すれば音が出る」のを視野に入れた楽器と違い、MIDIやシンセの基礎知識を必要とするNuRADやMWiCのようなちょっとハードルが高く感じるコントローラーは、初級者ならずとも整理された解説があると習熟の速度が上がります。

MWiCメモ03 バイトセンサー調整-1|Windsynth workbook

NuRADのときも精力的に記事を上げておられましたkirinoさん。

いつものことながら頭が下がります。

ほんとうにありがとうございます。

 

さて、今夜寝るまでにどれくらい設定が進むかな。

 

つづく。

仕切り直し

承前。

 

まずは基本にたちかえって公式webを参照。

20 Data|MWiCの設定|Teefonic LLC

さっくりファクトリーリセットします。リップベンドが、とか血迷い事は一旦こっちに置いといて、ふつうにやることにします。大人だから。目先にこだわらず基本に忠実に。落ち着いていきましょう。

で、マウスピースはセルマーのジャズメタルEを使います。リードはBARIの樹脂リード。変な味を感じたので(40年の時を経ているし)中性洗剤で洗って気分一新。リガチャーはロブナー。

ソフト的にはまずは設定を変えず吹いてみます。

  ぷー⤴

んー。意図しないしゃくりが発生します。

これはマウスピース内部に設置されたシリコーンバルーンが息で押され、ブレスなのにバイトだと勘違いしてしまう現象なのでしょう。なのでB.Compensateをいい感じに設定することで影響を少なくするという仕組みが用意されています。

08 Bite-1|MWiCの設定|Teefonic LLC

もしこれで改善されないのであれば、マウスピースのチェンバー(内径?)がMWiCにとっては狭いということになります。

セルマーのジャズメタルEがだめなら中華(白)を試して、もしそっちも狭いかったら内側を削ればいいかな。

眠くなってきたので今夜はここまで。

 

つづく。

試奏のはじまり

みなさんご存じですかMWiC。

Teefonic LLCさんのMWiC。

一番に注目したのはリップベンドがダウンオンリーに設定できるという部分。なぜならわたくしの音楽はリップベンドでできているから。元祖Lyriconでも先輩プレイヤーのみなさんが苦労したと噂に聞くリップベンド。あれがダウンオンリーに設定できるのなら、へたくそなわたくしでもなんかいい感じに演奏できるんじゃないか。たとえ指が思うように回らなくても。そんな夢を見たっていいじゃないか。つらい毎日に押しつぶされそうになりながら現実逃避をしたって誰に迷惑がかかるっていうんだ。みんな他人の上げ足をとりすぎだよ。争いはもうやめよう。わたくしはかつてきのこの山が好きでした。でもいまはたけのこの里を愛してやみません。たぶんもう2度ときのこの山は食べないんじゃないかな。もともときのこは嫌いだし。なんであんなの好きだって思ってたんだろう。くそぅ。みんな社会が悪いんだ。ハイハイどうせわたくしはリップベンドおたくですよ。これまで数々のウィンドシンセに期待し、そのたびにメーカーとわたくしの間にはリップベンドに対する考え方の違いが深い谷のように横たわっていることを思い知らされてきました。しかたがないんだ。リップでビブラートなんて技術的にむずかしいんだ。きっとそうなんだ。もうさ、とりあえず気持ちよくビブラートできればいいじゃん。ベンドは親指が頑張ってくれる。そう思って4000sを買いましたよ。でもあれじゃなかった。not for me。マウスピースが1000みたいにやわらかいNuRADはよかった。ビブラート気持ちいい。1日中ビブラートしていられる。でもね、ベンドダウンがね。ちょっとね。

そしたらMWiCですよ。Lyricon系でアルトのマウスピースでリードでリップでベンドする! これはドリームマシンじゃないか! 目的はリップベンド!

 

ということで、試作機の貸し出しに申し込んだのでありました。

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