みなさんご存じですかMWiC。
Teefonic LLCさんのMWiC。
一番に注目したのはリップベンドがダウンオンリーに設定できるという部分。なぜならわたくしの音楽はリップベンドでできているから。元祖Lyriconでも先輩プレイヤーのみなさんが苦労したと噂に聞くリップベンド。あれがダウンオンリーに設定できるのなら、へたくそなわたくしでもなんかいい感じに演奏できるんじゃないか。たとえ指が思うように回らなくても。そんな夢を見たっていいじゃないか。つらい毎日に押しつぶされそうになりながら現実逃避をしたって誰に迷惑がかかるっていうんだ。みんな他人の上げ足をとりすぎだよ。争いはもうやめよう。わたくしはかつてきのこの山が好きでした。でもいまはたけのこの里を愛してやみません。たぶんもう2度ときのこの山は食べないんじゃないかな。もともときのこは嫌いだし。なんであんなの好きだって思ってたんだろう。くそぅ。みんな社会が悪いんだ。ハイハイどうせわたくしはリップベンドおたくですよ。これまで数々のウィンドシンセに期待し、そのたびにメーカーとわたくしの間にはリップベンドに対する考え方の違いが深い谷のように横たわっていることを思い知らされてきました。しかたがないんだ。リップでビブラートなんて技術的にむずかしいんだ。きっとそうなんだ。もうさ、とりあえず気持ちよくビブラートできればいいじゃん。ベンドは親指が頑張ってくれる。そう思って4000sを買いましたよ。でもあれじゃなかった。not for me。マウスピースが1000みたいにやわらかいNuRADはよかった。ビブラート気持ちいい。1日中ビブラートしていられる。でもね、ベンドダウンがね。ちょっとね。
そしたらMWiCですよ。Lyricon系でアルトのマウスピースでリードでリップでベンドする! これはドリームマシンじゃないか! 目的はリップベンド!
ということで、試作機の貸し出しに申し込んだのでありました。
まずMWiCから試奏の概略から。
- あくまで試作機であること(製品版とは異なる部分がある)
- 製品版同様、マウスピース・リガチャー・マウスピースケースは付属しない
- 往復の送料はこちら持ち
OK。なんの問題もない。
こっちはまがりなりにもNuRADユーザー。こういうマシンはたいていはじめはなにもわからなくて苦労するけれど、最終的には自分の器に合わせた使い方ができるようになってくるもんです。マキタスポーツさんもそういってた。「ぼく知ってるんです」って。
そして、はい! ドン! 届きました試奏機。
準備していたのは40年以上前から使っているセルマーのジャズメタルE。これ1本で吹奏楽部やってました。ほかにもセルマーのなんらかのラバーとかヤマハのラバーとか持ってたんだけど家にない。きっと何年も前に亡くなったお袋が実家に置きっぱなしにしてたわたくしの荷物と一緒に捨てたんだ。
そしてネタ用に中華プラスチック白(現在404)。リガチャーはロブナーと中華ロブナー。リードは40年前の樹脂リードBARI。
まずは公式webにしたがってセットアップ。
初めにわかったことは「マウスピースを取り外すときにシリコーンバルーンと一緒にバイトセンサ接続管が抜けてくる」こと。これは用意していたふたつのマウスピースどちらでも発生しました。バイトセンサ接続管は接着しなくてもしっかり差し込めば密封できるようになっているとのことなので、あまり気にせず刺し直して解決。
シリコーンバルーンの取り付けは、kirinoさんにならって先端近くにしました。えへ。
そして今度は本体の設定です。まっさきにReed Bendモードを選択。これが目的ですからね。これ以外はあまり設定の変更はせずにざっくりとやっていきます。
ここで不思議現象発生。マウスピースとの相性かと思いますが、B.Compensateの数値を大きくしても小さくしても、息を大きく吹き込むと音程が上がってしまいます。チェンバーが狭いのかな? あまり深く考えず、息抜けを最大にしてやさしく吹くことにしましょう。目的はリップベンドなので!
そして不思議現象その2。なにかのはずみに音程が2度くらい下がってしまう。
そういえばWX7もベンドホイールを上下にぐいぐい動かすと勝手にトランスポーズしてしまう不具合があったな、となつかしく思い出したりして、先に進みます。目的はリップベンドなので! リップベンドなので!
するとkirinoさんから冷静なアドバイスが。
「おまいさん、まずは落ち着いてswingモードから始めなよ」(一部脚色があります)
ああ! あああ!
つづく。