WindSynth覚え書き(半袖

およそ世界で一番技術が十分でなく、演奏の出来が悪いさまを。

いつもの雑感

いつだったかSNSで「あなたのウィンドシンセはどこから?」みたいなアンケートをとっていて、伊東たけしマイケル・ブレッカー(敬称略)がワンツーを決めていたのを覚えている。

日本で一番最初にウィンドシンセでヒット曲を出し、命を粗末にしているかのごとくツアーをたくさんこなした伊東たけし。そして、テクニックとアイディアの両方で誰も越えることのできない壁を築いた偉大なマイケル・ブレッカー。そろそろマイルス・パーカー・コルトレーンと並べるひとが出てきてもおかしくないんじゃない? まだ早い?
志半ばにして鬼籍に入ってしまったマイケル・ブレッカー。彼が向かおうとしていたかもしれない道なき道を切り開いていく者が現れるにはまだまだ時間がかかるだろうし。
一方、御年70を迎えたにも関わらず相変わらずの肉体派伊東たけし。このかたを見ていると、命はもともと無限だったなんじゃないかと勘違いする瞬間があある。
さて。
このおふたりには共通点があります。はい楽さん早かった。デヴィッド・サンボーン
いやまぁ確かに間違いじゃない。でもここで言いたいのは違うのよ。EWIなのよ。
どっちが先か、なんて論争はせずにいきましょう。ほぼ時同じくして世に現れたEVIとLyricon。たまさかバルブをタッチセンサーに置き換えたEVIではなく、saxを意識してデザインされたLyriconをトム・スコットが使っているのを見て「俺も俺も」と伊東たけしはLyriconを入手。日本のフュージョンが大きく変わるきっかけのひとつになったのは間違いないでしょう。
そしてマイケル・ブレッカーがLyriconを試してすぐにポイしたあと「俺も俺も」と開発に参加したのがスタイナーホーン(スタイナーEWI? 名前がいろいろあるからこの辺は専門家に任せましょう)のちのEWIですね。
で、伊東たけしも「俺も俺も」と秒でEWIを手にします。余談になりますがLyriconのようなシングルリードで音程をコントロールするのは大変に困難だったこともあり、類似製品がいくつも世に出ましたが、みなさんご存知のように当時のものは次々と消えていきました。で、で、リードを使わずに音程をコントロールできるEWIが一世を風靡します。ウィンドシンセのことをEWIと呼んで憚らないひとも多いですよね。そのちょっと前までは何でもかんでもLyriconと呼ばれていましたし(笑)。
その後のことは中高年のかたならご存知の通り。

これから日本のウィンドシンセはどうなっていくのでしょう。
いままで通りEWI的なものを中心に、かつてフュージョンと呼ばれていたものの完コピを至高とする古典派が主流であり続けるのか。あるいはEWIで旧フュージョンとは別のものを始めるのか。はたまたEWI以外のウィンドシンセが大舞台に登場し、新旧フュージョンあるいは別のなにかを作り出すのか。

楽しみでなりません。